思金神(おもひかねのかみ/おもいかねのかみ)

思金神
 
 
 
 
 
 
 

思金神(おもいかねのかみ)とは何者か?

日本神話における知恵の神

思金神(おもいかねのかみ)は、日本神話に登場する知恵と計略を司る神であり、思考や知識を象徴する神格として位置づけられています。特に、天照大神(あまてらすおおみかみ)が天岩戸(あまのいわと)に隠れた際に、その解決策を考え出した神として知られています。

「思金」という名の通り、「思い巡らし、金(かね)」のように貴重な知恵を生み出す神とされ、知恵と判断力を持つ存在として、神々の中でも特に重要な役割を果たします。

本稿では、思金神の神格や役割、日本神話における登場場面、信仰の歴史、関連する神社について詳しく考察し、その本質を明らかにしていきます。

思金神の名前の意味と象徴

知恵の神としての役割
「思金」の意味:深い思考と知恵の象徴

「思金(おもいかね)」という名前には、以下のような意味が込められています。

  • 「思う」 → 深く考え、熟慮する
  • 「金(かね)」 → 貴重なもの、価値ある知恵

このことから、思金神は単なる知識の神ではなく、状況を冷静に分析し、最善の策を導き出す智慧の神であることがわかります。

知恵と計略を司る神格

思金神の役割は、単に「知っている」だけではなく、神々の間で重要な決定を下す際に知恵を発揮し、導く存在です。そのため、日本神話の中で戦略や戦術、計画の神としても考えられることがあります。

『古事記』・『日本書紀』における思金神

神話の中での知恵の働き
『古事記』における天岩戸の策謀

『古事記』では、天照大神(あまてらすおおみかみ)が弟・須佐之男命(すさのおのみこと)の暴挙を嘆き、天岩戸に隠れてしまう神話の中で、思金神が重要な役割を果たします。

神々が困惑する中、思金神は**「どのようにして天照大神を天岩戸から引き出すか」**を考え、計略を立案しました。その策とは、天宇受売命(あめのうずめのみこと)による神楽舞と、鏡を用いた作戦です。この策が功を奏し、最終的に天照大神は岩戸から出ることになりました。

このことから、思金神は機転の利く知恵の神であり、難局を打開する策謀の神であることがわかります。

『日本書紀』における神々の知恵袋

『日本書紀』でも、思金神は神々が困った際に相談する存在として描かれています。特に、危機に直面した際の策を練る役割を担うことが多く、神々の中で知恵の象徴として重んじられています。

思金神と他の神々との関係

天照大神との関係

思金神は、天照大神に仕える神の一柱であり、特に天岩戸神話においては、彼女を救うための知恵を絞った中心人物でした。そのため、天照大神との結びつきが非常に強く、皇室との関係性が深い神でもあります。

天宇受売命との連携

思金神の策によって、天宇受売命(あめのうずめのみこと)が天岩戸の前で舞を披露し、それが成功したことで、天照大神を岩戸から引き出すことができました。このエピソードから、思金神は「戦略」、天宇受売命は「実行」を担う神として機能していたと考えられます。

まとめ

知恵と計略の神としての役割
神格の特徴
  • 知恵と計略の神(思考を巡らし、最善策を導く)
  • 危機を打開する策謀の神(天岩戸神話で活躍)
  • 神々の知恵袋としての存在(『古事記』『日本書紀』で重要な役割)
信仰の広がりと影響

思金神は、知恵と計略を司る神であり、特に困難な状況を打破する知恵をもたらす神として、現代においても受験やビジネスの成功を願う人々に信仰されています。その神徳は今も受け継がれ、多くの神社で崇拝されています。

カムラン ロゴマーク 思金神を祀っている神社

思金神(おもいかねのかみ)をお祀りしている主な神社を一覧にまとめました。各神社の名称、読み方、住所、そして公式ウェブサイトを掲載しています。なお、公式ウェブサイトがない神社については、関連情報を掲載している紹介サイトのリンクを記載しています。

神社名 読み方 住所 公式ウェブサイト
鷲宮神社 わしのみやじんじゃ 埼玉県久喜市鷲宮1丁目6-1
秩父神社 ちちぶじんじゃ 埼玉県秩父市番場町1-3
思金神社 おもいかねじんじゃ 神奈川県横浜市栄区上郷町745-1

これらの神社は、それぞれ独自の歴史と由緒を持ち、思金神をお祀りしています。一部の神社は公式ウェブサイトを持たない場合があります。その際は、地元の観光情報サイトや神社庁のウェブサイトなどで詳細情報をご確認ください。

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